種類
【原発性脳腫瘍】
原発性脳腫瘍とは
原発性脳腫瘍とは、頭蓋内の組織に単体として発生した腫瘍のことです。
年齢に関係なく発症し、人口100万人に対して100人ほどの割合で存在していると考えられています。
原発性脳腫瘍には良性の腫瘍と、悪性の腫瘍に分かれており、悪性腫瘍の場合は、脳組織を破壊し、脳の深くにしみこむようにひろがっていきますので放射線治療や化学療法による治療が行われます。放っておくと急速な速度で大きくなり、転移してしまうので注意が必要です。悪性脳腫瘍の代表的なものには、神経膠腫(グリオーマ)があります。グリオーマにはさらに、星細胞腫や膠芽腫、乏突起膠腫、上衣腫、悪性リンパ腫、髄芽腫、胚細胞腫などがあります。これらの悪性脳腫瘍が疑われる人は早期発見、早期治療を心がけてください。
いっぽう、良性のものは、手術で全摘出することができれば、再発する可能性は少なくなりますが、なかには脳の複雑な構造が関係して手術が困難なこともあります。良性脳腫瘍の代表的なものには、髄膜腫や神経鞘腫、下垂体腺腫などがあります。
原発性脳腫瘍の種類
原発性脳腫瘍には、さまざまなものがあります。以下に代表的なものをご紹介します。
| 種類 | 割合と性質 |
| 1.神経膠腫(グリオーマ) | 神経膠細胞(グリア)からできるもの。割合は28%程度で≪悪性≫です。 脳腫瘍には悪性度と呼ばれる分類方法(グレード1~4)があります。発生する場所によって症状はさまざまで、前頭葉運動野に腫瘍があると手足のマヒがあります。左の前頭葉に腫瘍ができると運動失語になります。浮腫が強くなると頭痛を起こすこともあります。 治療は外科手術や放射線治療、化学療法が一般的です。手術は脳のどの部分に腫瘍があるかによって行えないこともあります。その場合は、腫瘍を完全にコントロールするのは難しいですが放射線治療や化学療法が行われます。 |
| 1-1.星細胞腫 | 割合は28%程度で≪比較的良性≫のものです。悪性度はグレード2です。 |
| 1-2.悪性星細胞腫 | 割合は18%で≪悪性≫のものです。悪性度はグレード3です。 |
| 1-3.膠芽腫(こうがしゅ) | 割合は32%で≪悪性≫のものです。悪性度はグレード4です。 |
| 1-4.髄芽腫(ずいがしゅ) | 4%≪悪性≫ |
| 1-5.その他 | 18% |
| 2.髄膜腫(ずいまくしゅ) | 脳を包む膜にできる腫瘍です。割合は26%程度で、性質は≪良性(一部悪性)≫です。 発生する部位によって症状はさあざまで、なかには無症状であることもあります(無症候性)。30歳以上の女性に多くほとんどが良性です。3cm以下の場合は経過観察となることも少なくありません。多くは髄膜ごと摘出すれば治癒しますが、発生した部位によっては手術が難しい場合もあります。手術で全摘できなければ再発のリスクはたkまあります。 まれに悪性のものもあり、手術困難な部位に発生するタイプには放射線治療を行います。 |
| 3.下垂体線種(かすいたいせんしゅ) | 脳下垂体にできる。割合は17%、性質は≪良性≫です。 下垂体はさまざまなホルモン分泌の調節を行っている部位です。ですので、腫瘍が大きくなるとホルモン分泌バランスが崩れ、さまざまな症状が現れます。とくに女性ではホルモン異常によって月経周期が崩れたり、妊娠していないのに乳汁分泌がみられたり、不妊の原因になったりすることもあります。また、尿の障害や視力障害などが起きたり、糖尿病や心不全を合併したりすることもあります。 治療は腫瘍がおおきくなることによって、視野障害などが現れれば外科的治療が行われます。プロラクチノーマ(プロラクチンを大量に分泌する線種)にはドーパミン製剤が有用なこともあります。高齢者で腫瘍の進行がゆっくりであれば経過観察となることもあります。 |
| 4.神経鞘腫(しんけいしょうしゅ) | 脳から出る神経にできる。割合は11%で性質は≪良性≫です。 聴神経から発生する腫瘍がほとんでで、女性に多く発症します。聴神経が障害されて、聞こえにくくなったり、めまいやふらつきがみられることもあります。聴神経以外では顔面のしびれや感覚低下、舌の動きの低下などが起こることがあります。 治療は手術での摘出ガ行われますが、多くの場合で術後の聴力回復が困難になるようです。合併症としても顔面神経マヒなどもあります。3cm以下であればガンマナイフによる放射線治療も行われます。小さな腫瘍ではガンマナイフでの治療は手術より有効です。 |
| 5.先天性腫瘍(頭蓋咽頭腫など) | 先天的な生まれつきの腫瘍です。割合は5%程度で性質は≪比較的良性≫です。 |
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